Mercury Playback Engineをハックしてみた

Premiere CS4からエンコードを支援する機能としてMercury Playback Engine(MPE)が実装されました。Premiereをで動画制作をする際、MPEが使えるとプレビュー速度とエンコード速度が上昇します。ですが、対応カードが極端に制限されているため、あまり実用的ではありません。その後、色々調べていく内に、対象外になっているカードでもMPE支援が出来ることが分かりました。そして、挑戦です。

【必要要件】

  • NVIDIAのGPUが搭載されていること
  • CUDAが使えること
  • メモリが765MB以上であること
MPEはNVIDIAのCUDAという技術が必要なため、必然的にNVIDIAのカードが必要となります。また、メモリが512MBだとMPEは動かないようです。

【CUDA設定の流れ】

  1. 対象外になっているグラフィックカードを使っている場合、Premiereインストールフォルダにある「cuda_supported_cards.txt」を開き、カード名称を追記する
  2. NVIDIAコントロールパネルにある「3D管理の設定」-「プログラム設定」の項目にアル「マルチディスプレイ/ミックスGPUアクセラレーション」を「互換性パフォーマンスモード」に変更する
これだけで設定は完了です。ただし、気をつける点があります。一つ目は、「cuda_supported_cards.txt」は管理者権限でないと上書きできない点。私の場合、テキストエディタ上では変更されていたのですが、メモ帳では初期内容のままでした。ファイルそのものを一旦コピーして変更、所定の場所に戻すときに警告が出るので管理者権限で置き換えると良いでしょう。 二つ目は、NVIDIAコントロールパネルにアクセスするにはNVIDIA純正のドライバーが必要なこと。私の場合、販売メーカー提供のドライバーではアクセスできなかったので、NVIDIAのサイトからDLしました。 速度については、私が制作している動画は5~10分程度が多いのですが、MPEをプレビューのカクつきが減り、エンコード速度も3割ほどアップしました。ただ、ひとつ気になる点があります。MPEを調べているとき、CUDAを使用するとカードによっては画質が低下する人がいる、ということです。この点については現在比較していないのでなんとも言えない状態です。CUDAで画質をよくするには高価なQuadroレベルのカードが必要なのでしょうか。

2011年PCパーツ状況

仕事でPCが欲しいという方は多いのでが、最近のPCが高性能、低価格になり完成品を求められる傾向にあります。なんだかんだいっても、道具ですからメンテナンスやトラブルに対処できなければ困る場合が多いです。そんなとき、自作PCのメリットはあるかと思います。 2011年、自作に必要なPCのパーツ状況についてどんな感じなのか書いてみます。

【CPU】

仕事で使うなら、Core i7レンジのCPUが必要です。Adobeなど高負荷のかかるソフトが必須になるのが大きな理由となります。Sandy BridgeはミドルレンジのPCにメリットがあり、ノートPCユーザーはこちらがオススメです。AMDは比較的安価で性能の良いCPUが手に入りますので、好みで選んでも良いでしょう。

【マザーボード】

マザーボードは高価格になると実装される機能や安定感が増す傾向があります。マザーボードはCPUメーカーが一番良いのですが、生産数や相性など他の問題が出やすいので無視して良いと思います。また、同じマザーボードメーカーでも搭載CPUによっては得手不得手があります。ASUSTek、Gigabyte、MSIが有名です。私はほぼASUSTekを使っています。

【メモリ】

メモリはマザーボードにより搭載できる上限や組み合わせが異なります。2011年現在では二枚一組のタイプが多いです。家電店よりPCパーツショップで販売されているものの方が安価です。過去大容量だと不具合発生率が高かったのですが、最近ではそうでもないとのことです。また搭載するOSの種類により上限が変わります。価格が4GB×三組の12GBモデルで1万円ほどですので、上限いっぱいまで積んでおいて問題無いと思います。

【グラフィックカード】

販売メーカーは多いですが、GPUはnvidia、radeonの2大メーカー独占です。仕事では5,000円くらいものでもさほど問題ありません。高価な製品はゲーム用がほとんどです。動画業務用のカードは価格が高く、安定度が上がります。Photoshopや動画が目的の方であれば1万円以上のものを選んでおくと良いでしょう。また、最近のカードは高性能だと電気を喰いますので搭載時には要注意です。

【電源】

Seasonic、Enermax、Antec、CORSAIRなど。個人的にケチらないようにしているパーツです。80PLUS認証など品質が良いと安定性や余裕があります。各PCパーツの使用電力に合わせた電源を購入する必要があります。最近ではコードが着脱式で、背面用に長くなっているものがあります。コネクタのピンの形状などマザーボードやグラフィックカードに対応したモノが必要です。

【PCケース】

Owltech、COOLER MASTER、Antecなどをよく見かけます。形状がメッシュで重く、大型のミドルケースが主流です。2万円以上のものになるとベイの取り外しが簡単だったり、電源の位置を変えることができるものがあります。PC内部は熱が籠もると壊れることがありますのでクーラーファンなどエアフローも考慮する必要があります。

【メディア用ドライブ】

DVDドライブならパイオニアが良いと言われています。Blu-rayドライブの価格が1~2万円程度とこなれていますので、理由がなければBlu-rayドライブで良いと思います。

【HDD・SSD】

HDDはWestern DigitalとSeagateの2強。2TBで1万円前後なのでコストパフォーマンスは良いですが、大容量はクラッシュしたときに問題があります。ソフトウェアRAIDで速度と安定度を向上するのが最近の特徴です。 SSDはインテル製の高価ですが品質が良いとされています。SSDは一番速度体感できるパーツなので、作業の快適さを考慮するならこちらです。電気もHDDの1/10程度と言われています。ただし、HDDはクラッシュ等発生したとき内部データのサルベージの可能性があるのですが、SSDは中身自体が削除される可能性が高いので、OSやアプリなどベース用として使うのが今のところベターです。

【CPUファン】

CPUファンはCPUに備え付け(リテールファン)よりも静音性や冷却性が高いと言われています。多くのメーカーから膨大な種類が販売されているので、その時にあったファンを探す方が良いでしょう。サイズとかは昔から名前を聞くメーカーです。最近のファンは巨大化しているので、取り付け方法とケースなどの干渉に注意する必要があります。また、熱伝導性を高めるためにシリコングリスを用意する場合もあります。

【モニタ】

ワイドの大型モニタでも価格がかなり安く、購入しやすくなりました。グラフィックカードの性能によりデュアルモニタも可能です。ナナオや三菱は昔有名でしたが、最近は違うようです。仕事用なら5万以上のものが色味等しっかりしている傾向があります。カラーマネジメントを考えるのであれば、色味を合わせるキャリブレーターとソフトが必須です。安価なキャリブレーターは年数が持ちませんので、最低でもColorMunkiのなどの高価な製品が必要となってきます。

【OS】

Windows 7 Professional 64bitがオススメです。32bit版は全てメモリが4GBまで、Home Premiumだと16GB、Professional以降は192GBが使えます。Macは自作向けではないので、除外となります。